家族心理教育インストラクター養成事業について
(平成29年4月改定)
■家族心理教育認定インストラクターとは
心理教育・家族教室ネットワークでは、「標準版家族心理教育研修会」においてインストラクターとして研修会を実施できる者を「家族心理教育認定インストラクター」として認定しています。認定を受けるためには、当ネットワークが示す基準を満たした上で、本ネットワークが主催する「家族心理教育インストラクター養成セミナー」を受講し、「標準版家族心理教育研修会」の講師経験をすることが必要です(詳細、手続きは下記を参照)。
家族支援は、家族にも、また当事者に対しても高い効果があることは広く知られているところですが、家族支援において大切にしたいエンパワメント、協働性を意識した支援手法は、まだ日本で十分に知られているとはいいがたい状況があります。家族支援をいろいろな職種の支援者が取り組むことも重要なことですが、それも一部の機関に限られているのが現状です。インストラクターには、各地で「標準版家族心理教育研修会」などを開催することを通して、心理教育およびその基礎となっている精神科医療や治療、ケアに対する考え方と実践方法を普及定着させていくことが求められます。そして、当事者や家族の負担を軽減しQOLを改善していく活動の中核となり、心理教育・家族教室ネットワークにおいても積極的な役割を担うことが期待されています。
■家族心理教育認定インストラクターとして活動するにあたって求められること
インストラクターとして認定されたら、次の1.~6.に示す事柄を継続的に実践していくことが求められます。
- 当事者支援、家族支援の大切さに日頃から目を向け、日常的に取り組むこと
- 家族心理教育の理論と方法の基礎をよく理解し、個別・グループでの家族支援を実施すること
- 家族心理教育の理論と方法、およびその技術に関する研修会(標準版家族心理研修会など)を企画・実施して普及に貢献すること
- インストラクターの一員として、他のインストラクターと積極的に交流し学び合うこと
- 家族心理教育および家族心理教育以外の介入技術に関して、みずからの知見を広げ力量を高める努力を継続的に行うこと
- 家族心理教育を通して、精神医療保健福祉システム、教育システムなどの底上げと向上を図る意識をもつこと
■家族心理教育認定インストラクターになるには?
家族心理教育認定インストラクターとして認定されるには、以下のⅠに示す申込み要件を満たした方が、本ネットワークが主催する「家族心理教育インストラクター養成セミナー」を受講し、「標準版家族心理教育研修会」のアシスタントとして、以下のⅡに示す役割を1回以上経験することが必要です。
詳細は、「インストラクターになるまでの流れ」を参照してください。
Ⅰ 申込み要件
申込みできるのは、次の1または2に該当する人です。
- 当ネットワークの運営委員
- 以下の基準をすべて満たし、運営委員が推薦するもの注1)
1)本ネットワークの会員であること
2)当事者支援、家族支援の大切さに日頃から目を向け、日常的に取り組んでいること
3)「家族心理教育認定インストラクターに求められること」①~⑥をよく理解し、同意していること
4)「構造化された家族心理教育プログラム」の実施経験注2)が3年以上あること
5)標準版家族心理教育研修会を1回以上受講したことがあり、この研修会の構造と内容をよく理解していること
注1)身近に運営委員がいない方は事務局にご相談ください。
注2)複数回で1クールを構成する、情報提供と問題解決を両方行っている家族心理教育プログラムに、直接支援を提供するレギュラーのスタッフとしてプログラムを運営・実施していること
Ⅱ アシスタント経験の認定基準
- 標準版家族心理教育研修会の講師として、2日間(合計11時間)の研修会全体に関与すること
- その際は、研修会のプレミーティングとアフターミーティングにも参加すること
- 少なくとも1つのセッションの講師を主担当として担当すること
- 以上のプロセスにおいて、当該研修会に参加しているインストラクターの指導を受けること
⇒上記 1.~4. を満たしたらアシスタント修了証が渡されますので、それを心理教育・家族教室ネットワーク事務局に送付してください。年に2回開催される心理教育・家族教室ネットワークの運営委員会で承認が得られたら、家族心理教育インストラクターとして認定されます。